通貨発行は違法か?

通貨発行は「国家」の独占事項なのでは?

法律に詳しい方は、勝手に通貨を発行するのは違法なのではないかと思われるかもしれません

ハートランドが「新しい国」を謳っているとはいえ、法的には既存の近代国家の中のひとつの組織で、その法によって規制を受けるだろうというわけです

はい、その通りです

例えば、日本の「紙幣類似証券取締法」(明治39年)では、次のように定められています

第1条 一様ノ形式ヲ具ヘ箇々ノ取引ニ基カスシテ金額ヲ定メ多数ニ発行シタル証券ニシテ紙幣類似ノ作用ヲ為スモノト認ムルトキハ主務大臣ニ於テ其ノ発行及流通ヲ禁止スルコトヲ得

2 前項ノ規定ハ一様ノ価格ヲ表示シテ物品ノ給付ヲ約束スル証券ニ付之ヲ準用ス

ただ、大蔵省(現在の財務省)の見解では「紙幣の機能とは、何処でも、誰でも、何にでも支払いないし決済の手段として利用できることであるとしており、基本的にこのいずれかの要素が欠ければ紙幣類似とはならない」とされています。

ハートランドで流通する「ハート」は、日本国内で「どこでも」使えるわけでもなければ、「誰でも」受け取ってくれるわけでもなく、当然「何にでも」支払いの手段として用いることはできません。あくまで「ハートランド」に参加している人々が提供してくれるサービスに対してのみ使うことのできるものになっています。

現在、さまざまな地域で導入されている地域通貨と同様、通用範囲が限定されていて、法定通貨に混乱を生じさせないものである限りは、規制の対象にならないと考えられます

では仮に、人々の「ハート」の使用によってではなく、何らか別の原因で法定通貨が混乱し、その中で「ハート」への信用が増した場合には、どうなるのでしょう

勝手に混乱する中で取り締まりの対象になってはたまりませんが、ハートランドの場合には参加要件が明確に限定されていますので、通用範囲はその場合でも限定的であることは間違いないと思われます

日本円にハイパーインフレが起こったとしても早晩、強制通用力をもった「新円」が発行されるでしょうから、「ハート」が違法になることはまずないと考えてよいように思われます

「有価証券」の販売には免許が必要では?

「ハート」を発行する「ハートランド中央銀行」は、一方的に人々に「ハート」を与えるだけで「販売」は一切しません

「ハートランド建国準備委員会」は、ハートランド内の「ハート」の取引の5%を徴収し、それを財源にハートランド建国に向けた人々の貢献に対して報酬を与えますが、「ハートランド中央銀行」と「ハートランド建国準備委員会」はまったく別の組織になります。中央銀行と政府が、通常、互いに独立した組織であるのと同様です。

ですので、仮に「ハート」がトークン取引の自由市場に売りに出され(「ハート」を自由市場に出すことは原則禁止とさせていただいていますが、これを止める手立ては事実上存在しません)、市場価格がついた場合でも、ハートランド中央銀行は「有価証券」を販売していないということができます

ハートランド中央銀行は、その都度「ハート」を発行し人々に分配しているだけで、「ハート」を保有する必要はありません。どこかの国とは違い、中央銀行が政府の「国債」を買い込むこともありませんので、ハートランド中央銀行のバランスシートは常にゼロになります。

ハートランドに参加される皆さまは、安心して「ハート」をお使いください